読書の記録

知事の真贋

知事の真贋 片山善博著 文藝春秋 出版年度が2020年11月である著作。 昨年1月から突如突入したコロナ禍においての知事の采配に触れながら筆が進んでおり、おかげで問題意識を身近なものと感じながら地方自治のあり方を考える機会となった。 おりしも、…

その果てを知らず

その果てを知らず 眉村 卓 講談社 懐かしい作家さんの作品。 中高生の頃、SF小説を好んで読んでいた、その中のお一人。 久しぶりのSF的(この作品は、SF作品とはカテゴライズされない気が...)小説は、ストーリーの流れを追う事に苦労した。 この作品は、著者…

こどもホスピスの奇跡

こどもホスピスの奇跡:短い人生の「最期」を作る 石井光太 新潮社 私には小学校入学を目前に控えた頃に、腎盂炎で他界した従兄弟がいた。 最後にお見舞いに行った時のことを、今でも鮮明に覚えている。 おそらくは、そんな記憶もあって、興味を抱いて手にし…

ガラスの50代

ガラスの50代 酒井順子著 講談社 氏がmi-molletに寄稿されたエッセイを纏めた1冊。 著者の作品は、2003年”負け犬の遠吠え”以来手に取ってこなかったが、書名を見て読んでみたくなる。 第1章、冒頭より”夏目漱石は四十九歳で亡くなりました”と始まり、何故…

ひきこもれ

ひきこもれ:ひとりの時間をもつということ 吉本隆明 SBクリエイティブ(株) 2020.9 私は人との付き合いが苦手だ。 思えば、幼い頃から外出が嫌いで、両親に否応なしに連れて行かれる外出も早く自分の家に帰りたくて仕方なく、帰宅するとすぐ自分の部屋に閉…

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ イギリス人の配偶者と11歳になった息子を共にイギリス南部ブライトンという町で暮らす著者が、息子の学校生活、友人関係を通して感じたイングランドの一般的な(もしくはそれより少し下級階層…

今日の私は、だれ?:認知症とともに生きる

今日のわたしはだれ?:認知症とともに生きる ウェンディ・ミッチェル シングルマザーとして、キャリアウーマンとして颯爽と生きてきた著者ウェンディーが、徐々に病魔に蝕まれ、58歳で若年性認知症と診断される。 その診断されるまでの心の揺れ、 診断確定…