母を想う②

昨日の台風はこれまでにない被害を残していった。

 

台風の風が吹き荒れる最中、

台風直撃の予報が流れると、途端何故か興奮気味になり、テレビの天気予報に釘付けになっていた父の姿を思い出した。

 

非日常な出来事に興奮する父であった。

 

一夜明け、千葉では広域に停電の被害が出ているという。

千葉には母の弟、私にとっての叔父の自宅があり、調べてみると被害地域になっていた。

停電しているなら電話はかからないかも……

と思いながらも家電に電話をしてみた。

いつも最初に電話に出るのは叔母であるが、今日は叔父が最初に応答した。

母に会えない私にとって、自分の夫、息子以外の親族に接触するのは2年ぶりとなる。

叔父の声を聞いた途端、涙が溢れた。

叔父に被害がなかった事への安堵以上に、

血縁者への愛着が溢れ出たのであろう。

 

父の他界から4年が過ぎ、

そろそろ心の整理が出来たと思っていたのに……

 

血縁者への愛着は、

心の叫びなのか。

 

母に逢いたい。